海外駐在員のための英語 使えて伝わる英語表現 ビジネス英語編

本書では、職場でよく使うフレーズ、失礼にあたらない言葉使い、聞き取りを上達させる方法、日本人が勘違いしやすい表現などを中心に、普段駐在員の生徒さんにビジネス英語を教える際に必ず質問を受けるトピックから構成されています。

コンテンツの一部

– 空気を読めない現地スタッフに対して分かってもらう言い方

– なんとかしましょう、は英語では?

– 丁寧に反対意見を言う

– うまくいった、満足している→ happy とは言わない

– 雑談テクニック

– Clarify の使い方 

– 聞き取りの上達方法              

<目次>

1 ビジネス上での挨拶

2 同僚との雑談

3 聞き取りの上達法

4 職場でよく使うフレーズ、間違いやすい日本人的な言い方

5 英語で交渉

6 メールのやり取り

7 略語 

<はじめに>

長年英語を教えていて思うのですが、学生時代に真面目で優秀であったであろう人ほど英会話に対する苦手意識が強いという事が多々あります。例えばTOEICの点数などは実際のところ仕事をする上であまり関係ありません。英単語をどれだけマスターしているかではなく、目の前の現地スタッフと雑談ができるか、また現地人だけではなく国際色豊かな同僚がそれぞれ違ったアクセントで話す英語で行われる会議の内容が理解できるか、さらにその場で自分の意見をはっきり述べる事ができるか、が重要になってくるのです。自学や英会話クラスへ通うことも、もちろん役には立ちますし自信を持つ事にも繋がります。ですが英語での会話が苦手、思うように話せない、というのには他の要素が関わっている場合が多いです。駐在員としての生活で、日本にいるときには想像もしなかった場面に遭遇したりします。現地語がわからないことで疎外感を感じることもあるでしょうし、その土地の生活習慣になかなか慣れない、または家族がうまく適応できていないなど。仕事面でいうと、日本と異なるビジネスルール、出張が多い、日本と現地との板挟み、などひとつひとつ挙げていくとかなりのストレスになるはずです。そのため、いろいろベストを尽くしていて精一杯なので、英語に関してはそこまで完璧でなくても構わない、というぐらいの姿勢でよいかと思います。ここでは、最低限必ず押さえておきたい、そして間違えたくないものから仕事場でツールとして必要な使える、伝わるビジネス英語を学んでいきます。海外で働くチャンスを少しでも有意義なものに、そして充実した思い出に残る滞在にする為にも英語力向上に努めましょう。

1 ビジネス上での挨拶

まず挨拶の仕方です。初めて会う人に、「よろしくお願いします」は Nice to meet you. ですがこれからも仕事を一緒にしていく相手にもっと何か言いたい場合は、 I’m excited to be working with you.(あなたと今後仕事をすることを楽しみにしています。)または I’m excited to be working here.(ここでこれから仕事をしていくことを楽しみにしています。)となります。上司や目上の方に初めて会う場合は It’s a pleasure to meet you. と言いましょう。別れ際に、お会いできて光栄でしたと伝えたい場合は Nice meeting you. を使用します。Nice to meet you. とは全く違う意味になります。初めて会う人に Nice meeting you. と言ってしまうと、会ったばかりなのに?と不思議な顔をされたりしますので気をつけましょう。また「今後ともよろしくおねがいします」は別れ際に Nice meeting you. I look forward to working with you. といいます。

次に名刺の渡し方です。名刺は日本だとお辞儀をしながら渡しますが、海外ではまず、相手の目をみながら握手をする。そしてその後に名刺を渡して下さい。お辞儀をしながら両手で名刺を渡そうとしていると握手を求められ、中途半端な形で初対面の挨拶を終えてしまう形にならないように気をつけましょう。

また外国人の(ちなみに日本人同士で「外人」と言うのはやめましょう。あまりよい表現ではありませんし、海外では私達日本人が外国人です)彼らはこちらの目をじっとみて話しますね。こちらの英語を聞きにくそうに顔をしかめてじーっと目を見つめて話す同僚に、決して悪気はありません。一生懸命理解しようとしていてどうしてもそんな顔になってしまい、多分そのことに気が付いていない可能性もあります。こちらの人にとって、目を逸らしながら話すことほど失礼に当たることはありません。それが居心地悪く感じ、またどうしてもこちらが同じように相手の目を凝視しながら話をすることができない場合は、相手の眉あたりの、またはおでこあたりを見つめてください。そうすると顔は一応正面を向いていますので、失礼になることを避けられるかと思います。

普段の挨拶

How are you? 以外の言い方をここではいくつか紹介します。

How is everything? How’s it going? How are things going?

調子はどうですか?という意味です。お元気ですか?という意味にもなりますが、作業の方はどうですか?また仕事以外のこと以外も含めて調子はどうですか?ということにもなるので、普段使う際に便利な言い方です。これらの文章の後に with を加え〜の調子はどう?と聞いてみましょう。

例)

How’s everything with your car?(車の調子はどうですか?)

How’s it going with your new project? (新しいプロジェクトはどんな調子ですか?)

How are things going with your children?(子供達は元気ですか?)

*How are you?と聞かれて「まあまあ、ぼちぼちです、普通です」と答えたい場合に、

I’m O.K. I’m alright. Not too bad. などありますが、よく So-so. と答える方がいます。間違った英語ではないのですが、実際には使いませし、ニュアンス的に誤解される場合もあります。ですので思わず So-so. と言いかけたら O.K. に切り替えましょう。少し脱線しますが、間違いやすい表現のひとつにこの O.K があります。カタカナで使用する「オッケー、わかりました、了解です、引き受けました」と感じのよい受け答えとして日本では使いますね。この I’m O.K ですが他にも使い方があります。Would you like to have some tea? (お茶いかがですか?)ときかれ、結構です、いりませんと答えたい場合 No thank you. と同じような意味で I’m O.K.を使用します。また、海外では相槌として O.K  は使いません。いいですよ、わかりましたと何かを引き受ける時、または納得しました、と伝えたい時に O.K と一度のみ使用します。相手の言うことにオッケーオッケー、と何度も繰り返すと「しつこいですよ」と相手に言っているように捉えられてしまいかねません。その他「気にしないで大丈夫です」という意味としても使えます。例えば不意に誰かがぶつかってきた際 Sorry と謝ってきますね。それに対し「大丈夫ですよ」という言い方として It’s O.K. と返答します。

How are you?に対しあまり調子はよくないですね、と答えたい場合は、Not so good. Not so great. になります。また、頑張って苦心しながら仕事をしているときに、調子はどうですか?と聞かれてその思いやりが嬉しかった、また「あなたの家族は元気にしていますか?」と聞いてくれた場合、「聞いてくれてありがとう」Thank you for asking.と伝えましょう。また相手に How about you? と聞き返すことも忘れないようにしましょう。

*お疲れさまです

日本で普段頻繁に使う「お疲れさまです」は英語ではありません。先ほどの How’s everything? がそれに値すると考えてよいでしょう。1日の終わりやプロジェクトが終わった際に、部下に対しお疲れです、と伝えたい場合は Good job. と言いましょう。なんとなく軽い感じがして最初は慣れないかもしれませんが、無理やりお疲れ様ですを訳して You are tired. などというと通じませんので気をつけましょう。

2 同僚との雑談

ヨーロッパの人は夏に2週間から4週間程の長いバカンスを取る人が多く、また5時過ぎたら迷わずすぐオフィスを後にする、土日きっちり休む、など海外の人達は仕事以外の趣味や家族との時間を大切にします。ですので、雑談のトピックに休暇の話をする人は多いです。しょっちゅう休暇や週末に何をする予定か、また何をしたかを聞かれます。まず予定を聞かれた場合、Are you planning anything for the next vacation?(次のバカンスに何をするか決めていますか?)などになりますが決めてもいないし何を答えていいのかさっぱりわからない場合 I don’t know. (知りません。分かりません。)ではなく I’m not sure.(確かでない。)と答えましょう。I don’t know. では冷たい感じなってしまいます。他にも次のような答え方があります。 We have no plans yet. (まだ計画は立てていません。)Nothing special.(特にないです。)次に、過去のことを聞かれた場合、先週末何をしたか。楽しい週末を過ごせたか。それに対し特に何もしていない場合は、Nothing special. その他 As usual, I was playing golf.(通常と同じでゴルフをしました。)など。また家族と何処かへ出かけた場合は  I went to Van Gogh Museum with my family. (家族とゴッホ美術館へ行きました。)また、彼らは実は自分の話をしたくてその質問を投げかけた場合が多いので必ず答え終わった後には、How about you? と相手に質問を返しましょう。トピックに関していうと、スポーツなど共通の趣味があればいいのですが、そうでない場合は天気の話をするのが一般的ではありますね。おすすめなのは、普段から現地の英語でのニュースを見ることです。現地の状況を把握し、話題が豊富にあることは英語力アップにも繋がりますし、またグループでの会話中自分から率先的に話さなくても、トピックを察する事ができます。意見を求められ、何を言っていいのかわからない場合は次のような相槌から始めましょう。

*相槌

I see.  そうですね / そうですか。

I understand. /I understand what you mean. 分かります。

Sounds good.  いいですね。

That makes sense. それは理にかなっていますね、理解できます。

That’s too bad. / I’m sorry to hear that.  大変ですね。

That’s a pity.  残念ですね。

また、That’s の後に形容詞を持ってくる方法もおすすめです。

例)

That’s interesting.  興味深いですね、面白いですね。

That’s exciting.  それはすごいですね。

That’s terrible. それはひどいですね。

That’s surprising.  それはびっくりしますね。

That’s shocking.  それはショッキングですね。

That’s relieving.  それはホッとしますね。

That’s relaxing.  それはリラックスできますね。

That’s boring.  それはつまらないですね。

That’s  worrying.  それは心配ですね。

そしてこのような言い方以外に相手の話している内容の一部の単語や文章を繰り返す、という方法もあります。相手にとって、こちらの話をよく聞いてくれている感じになりますのでオススメです。また、話が100%理解できていない場合の確認にもなります。

会話例)

Something is wrong with my laptop. (ノートパソコンの調子が悪いんですよね。)

Your laptop? (ノートパソコンですか?)

Yes, it’s very noisy and doesn’t work properly.(そうなんです。うるさいしきちんと動かなくて。)

Noisy? (うるさいとは?)

Actually, it is very old. How about yours, do you have a good one? (実際のところ古いんですよね。あなたのパソコンはどうですか?いいのを使ってますか?)

Yes, mine is new. Perhaps you might want to get a new one too.(私のは新しいんです。もしかしたら買い換えた方がいいかもしれないですね。)

相手の言ったことに無反応なことほど失礼なことはありません。相槌から始め雑談をスムーズにできるよう少しずつ実践していきましょう。

また、何かのトピックについて話していて、日本ではどうですか?と聞かれたりもします。ここで役に立つのが日本のニュースを英語で読むことです。例えばYahoo!ニュースなどでさらっと日本語ニュースを読んだ後、The Japan Timesで同じ内容を英語で読む。英語での表現を学べ、英語で日本のことを説明するのにとても役に立ちます。現地の同僚と雑談をする際、同じトピックが日本ではこのように伝えられている、などと情報提供にもなりますし、また読んだ記事をサマライズする(要約する)ことも会話力を伸ばすことに繋がります。興味のある記事を読み要約をし、昼休みなどの時間を利用して同僚を捕まえ、Yesterday, I read an article about…. In Japan.. と、会話を始める。急に向こうから思いもよらないトピックを持ち出されるよりはこちらから会話を誘導できることにも繋がります。ほとんどのビジネスマンの方はリスニングやスピーキングよりも読むことが得意だと思いますのでぜひ試してみてください。

3 聞き取りの上達法

間違ったやり方で勉強し、やったこと自体に自己満足する、割とありがちです。例えば、車の中では必ず英語のCDを聞くようにしている、または帰宅すると必ずテレビでCNNを流しておく、など。習慣にして毎日欠かさずやっているのに英語力が伸びていない。なぜでしょう。この場合に関していうと、聞き流しがよくないといえます。理由は、聞いてるようでちゃんとは聞いていない、という状況を習慣化しているからです。効果のある聞き取りの練習とは気を付けながら集中して聞く事。繰り返し同じものを聞いた後、最終的に60%から80%理解できる、という方法でないと、どの部分が理解でき、できない箇所なのかはっきりしません。また、英語での動画を見る場合はまずは字幕なしで、わからない部分を確認しその後字幕付きで見るとよいでしょう。

オススメはまずリスニングアプリ旺文社の英語の友です。これは英語と日本語、両方聞けるので、車や電車の中で、そんなに必死にならなくても学生の頃からの続きの感覚でできると思います。ビジネスマンの方だと英検2級から準1級あたりでしょうか。特に、まずは熟語を集中的にリスニングして下さい。熟語は、学生時代テストで読み書きでしか覚えていない場合が多く、会話の中で自分で使うことはなかなか難しいです。ですが、熟語をマスターすると聞き取り力は必ずアップします。

次におすすめなのは、BBCが無料で提供している、質の良い学習サイトBBC Learning English です。まず Pronouciation の項目にある Tim’s pronouciation workshop をみてください。こちらひとつにつき2、3分程度にまとめられ、丁寧に発音の説明がされています。これをまず、文字を読まずに映像のみを見その後台本を読んでみてください。そしてこのサイトにある 6 min. English も勉強になります。好きなトピックを選び、まず聞いてみる。そして台本を読む。その際、覚えたいキーワード熟語が載っているのでノートに書きうつすなどして熟語帳を作りましょう。この熟語はあのトピックに出てきたものだ、と関連づけると頭に入りやすいものです。このサイトを6ヶ月ほど続けられると、聞きやすくなってくるはずですし力もついてきます。聞き流さず、何度もじっくり聞いてください。

聞き取りはフリーサイトを使って十分自学でレベルアップできます。また聞き取りだけに限ったことではありませんが、語学を学ぶ上で大切なことが3つ程あります。ひとつ目は Enjoyment(楽しさ)ですね。毎回楽しくはできないかもしれませんが、ちょっとでも自分の興味のあることに関連させるなどして力を伸ばしていく、過程自体を楽しむことです。ふたつ目は Habit(習慣化)すること。これはもう言うまでもないことですが最初に力んでしまうと必ず後で息切れしてしまいます。何が何でも頑張ります!と宣言される生徒さんに限って1ヶ月後には忙しいのを理由に宿題をサボっている事があります。頑張る必要はないので、例えば必ず週1で朝1時間ほど早く起きこのBBC 6 min. English に取り組む、トピックはその日の気分で選ぶ、など続けられる形を心がけましょう。それが出来ない場合は高いお金を払って先生につき、やらざるを得ない環境に自分を置くしかないですね。最後に Patience(辛抱強さ)です。じっくり時間をかけずには何事も達成できないように、語学力も覚えては忘れを繰り返し、疲れていて言いたいことの半分も言えない、同じ間違いを繰り返す、など苦しい状況が続きますが、そのプロセスがなければ次の段階へはいけません。通常少なくとも6ヶ月から10ヶ月は時間がかかるとみていいでしょう。

また英語の勉強に関していうと、間違った使い方や癖を直してもらう、話すことを日常化する、といった意味ではスピーキングに限りマンツーマンレッスンを受ける事も必要だと思います。読解や聞き取りのレベルアップは Discipline(自制心)があれば自学も可能です。大切なのは続けることですね。継続は力なり。= Persistence pays off. (ちなみに pay off は報われる)

4 職場でよく使うフレーズ、間違いやすい日本人的な言い方

*英語で話せますか?

現地語が英語でない場合「すみませんが英語で話せますか?」と毎回言わなければならない際 Can you speak English?と言うと、英語を話すことができるか?と言うニュアンスになります。話せますか、はDo you speak English? の方が自然です。また、私の英語はつたなくて、と言いたい場合 I can’t speak English. と謙遜したつもりで言ってもよい印象を与える事にはなりません。あまり話したくないし遠慮させてもらいたい、といった感じになります。どうしても言う必要がある場合は My English is not perfect. (私の英語は完璧ではありません。)または My English is not so great.(私の英語はそんなに良いレベルではない。)と言ってみましょう。

*もう1度言ってもらえませんか?

相手の話すスピードが速い時。Pardon? と言い、再度言ってもらっても速さは同じです。ですのでその場合は Please say that again, slowly? (もう一度ゆっくりお願いします。)または Slowly, please? と言いましょう。

*〜してもらえますか?お願いできますか?に  Could を使い、Could you〜? を日常的に使っているかもしれません。目上の方に丁寧に何かを頼みたいときには Could you?と言いますね。しかし、いちいちものすごく丁寧に言われても相手が疲れてしまいます。毎日会う同僚や普通に言いたい場合は Can you ? のほうがよいでしょう。ちょっと遠慮がちに頼みたい場合は Do you mind〜 ing?(〜してもらってもいいですか?)ちなみにこの質問に対し「いいですよ」と答える場合は No, I don’t mind.(構いませんよ。)となります。Yes と答えると「やりたくありません」という意味になるので気をつけましょう。 

またこちらに何か頼まれて、返事をする時。No problem と答えると、時と場合によってはちょっと上から目線になります。No problem がもちろん適切な場合もありますが、いつもノープロブレムで済ませるとあまりいい印象は与えないので気をつけましょう。普通に「もちろんいいですよ」とポジティブな感じで答えたい場合は Sure. Why not? が適切でしょう。 

ありがとう、と言われ「どういたしまして」と答えたい時。カジュアルに普段使いたいフレーズはこちらです。That’s O.K.(いいよ、大丈夫) Any time.(いいよ、いつでも。)丁寧に言いたい場合は My pleasure. または You’re welcome. (どういたしまして)ですね。

次に仕事場で日本語でよく使う *直訳すると通じない英語のフレーズ を紹介します。「普通は」「普段は」と言いたい場合には Normally ではなく Usually または In general を使いましょう。時と場合によっては何が普通なのかを限定しそれを相手に押し付けている形になりかねません。普通とは何か、は人によって価値観が違うので Normallyと言ってしまった場合は文章の最後にFor me(私とっては、私の場合は)を付け加えましょう。また、機械などが普通に作動する場合「正常に」を指す Properly を使いましょう。

*〜のことを知ってますか?人物だと個人的に知り合いですか、という意味合いになる場合があります。例えば Do you know Ichiro? 元プロ野球選手の Ichiro のことを知っていますか?と言いたい場合に、会話の流れによっては個人的に Ichiro と親しいのですか、という感じになることもあります。ですので、誤解を招かず Ichiro という人物のことを聞いたことがありますか?と言う意味の Have you heard of Ichiro? といったほうが間違いはありません。

*「頑張って」ですがファイトとは言いません。英語でファイトは戦う、という意味です。応援したい際に頑張って! は Go for it! といいますね。スポーツや、商談でがっつり頑張れ!という場合はいいのですが、そうでなくただ単に普通に頑張ってといいたい場合は Good luck. を使用しましょう。「幸運を祈る」と大袈裟な感じではなく私たち日本人が日常的に使っている感じの「頑張って」にあたります。「その調子で頑張って」は Keep it up. といいます。 またバトル、は和製英語で英語の Battle とは戦場での血の流し合いの戦い、または大規模な組織的な戦い、を指します。「バトルする」に値する英語は Argue(口論する、争う) になります。

次に、違いがはっきりせず*適当に使いがちな単語を紹介していきます。

IncludeContain の違いです。

– 全体に対してその中の一部として含む場合 Include

– 溶け込んでいてそれだけを取り出すことはできない場合 Contain

例)

The price includes service charges. (その値段にはサービス料金も含まれている。)

The butter contains salt.(そのバターは塩を含んでいる。)

*嬉しい、満足している、には4つあります。

– Happy カタカナでよく耳にするハッピー、はどちらかというと可愛い、幼い印象を与えます。ビジネス上ではあまり使いません。

– Glad 会社の中で使用する際は、ハッピーといいそうになったら Glad のほうを使用しましょう。

– Content 満足している、とニュートラルにいいたい場合。

– Satisfied やっと終わって、やっと出来上がって満足している、の場合に使用。

例)

I’m happy to receive a birthday cake.(誕生日のケーキをもらって嬉しい。)

I’m glad that you got your new desk.(新しい机が来てよかったですね。)

I’m content that my schedule for tomorrow has adjusted.(明日のスケジュールが調整されよかった。)

I’m satisfied that the project has been finalized.(プロジェクトが完了して満足している。)

*Upset Angry の違いにいきます。両方「腹が立つ」という意味ですが Upset は「イラつく、ムッとする、ちょっと嫌」など、人によって使い方が様々で常用してもさほど問題ではありません。逆に Angry は、本気で腹を立てている、何か復讐してやりたい、と強い感じで怒っている印象を与えます。そのためあまり使用しない方がよいでしょう。

*Get を使った乗り物に関する熟語

Get on バスや電車に乗る

Get in 小型車やタクシーに乗る

Ride またがって乗る、馬や自転車やバイクに乗る

*気がつく、英語では

– Notice 見たり聞いたりして気がつく

– Realize 考え、判断して気がつく。注)I think の代わりに使ってみましょう。

例)

I noticed you have a new car. (新しい車を買ったんですね。)

I realized that this task needs extra time.(このタスクにはさらに時間が必要だと気がついた。)

*どうしましたか?と言いたい時。What’s the matter? What happened? What’s wrong? などを使いますが、その後に with you は加えないほうがいいでしょう。「君は一体どうしたんだ?」と強い意味になってしまいます。

*なぜならば Because の使い方です。理由を説明する際に使いますね。しかし会社内で Because を何度も使うとすると、言い訳をしているかのような印象を与える場合があります。Because を一度だけ使用する、または省くなどして工夫しましょう。

例)

I didn’t go cycling last weekend. Because it was raining. → I didn’t go cycling last weekend. It was raining.(先週末サイクリングに行かなかった、何故なら雨が降っていたから。) 

その理由は、とどうしても言いたい場合は The reason is〜 や due to を使いましょう。

*〜について

Regarding to〜 と言っていませんか?こちら正しくは With regard to / In regard to です。しかし実際ミーティイングでは Concerning / As for / When it comes to /When we talk about などがよく使われます。

5 英語で交渉

ミーティングでプレゼンをしたりする際、同じフレーズを常用すると、なぜか人は内容をきちんと聞かなくなってしまいます。できるだけ様々な表現方法を覚え使用しましょう。

*自分の意見を言う

常用しがちな I think〜 は親しい同僚と会話をする場合には構いませんが、なるべくミーティングでは使用しない方がよいでしょう。次はその代わりになる表現です。

– My opinion is 〜 私の意見は

– I would say 〜 私的には〜

– In my opinion〜 私が思うには

– From my perspective〜 個人的な見解では

*提案をする

How about 〜ing? 〜するのはどうでしょうか?

Perhaps we could 〜. 〜できるかもしれません。

Are you willing to consider 〜?   〜を検討する余地がありますか?

What if we 〜? 〜だとしたら、〜する場合どうなりますか?

*空気や行間を読めない現地の同僚に対してどう対応するか。失礼のないように、と考えているうちに抽象的な言い方になり伝わらない。また Could you〜?Would you please〜?と言っているのに全く伝わっていないようだ。この場合はできるだけ伝えたいことを直接的に表現しましょう。私はあなたに〜してほしい、という形です。そして重要なのが、その文章の手前に、丁寧に依頼する際に使う次のフレーズを使うことです。

I’m wondering if you could〜 よろしければ〜していただけますでしょうか。

I’m sorry to bother you, but〜 恐縮ですが

I hate to take your time, but〜 お手数だとは存じていますが

例) 

I hate to take your time, but please send me an email about the estimate till tomorrow. お手数だとは承知しているのですが、明日までにメールで見積もりを送ってください。

I’m sorry to bother you again, but please let me know if you could attend tomorrow’s meeting. 再度失礼しますが、明日のミーティングに出席可能か知らせて下さい。

  

*丁寧に反対意見を述べる

I don’t think so. を何度も使ってしまう場合はこちらも使ってみましょう。 I see it differently.(それは違うと思います。違う見方をしています。)

I don’t agree with you. (あなたの意見に賛成ではありません。)この文章はよほどハッキリ強く言いたい場合のみ使用してください。そうではなく例えば話の一部には同意するが他の部分に疑問がある、賛成できない、いい案だとは思えないという場合には次の表現を使いましょう。

I see what you mean. However, I’m wondering about〜.(あなたのおっしゃることは分かります、しかし〜 について考えるところ〜。)

Noとはっきり強く言いたくない時。そうとも言えるし違うとも言える、なので少し検討する時間がいる、時間を置いてからまた話し合いたい、などの時に次のような表現を使います。I don’t think it’s possible that〜.(〜とは言い難いと思います。) It doesn’t seem to be〜.( 〜には見えない、思えないです。)It’s not likely that〜.(〜にはならない気がします。)Yes and No.(そうとも言えるしそうでないとも言える。)

*イエスとノーの答え方 

日本語では、された質問に対して肯定か否定かで答えますね。英語では質問された内容の事実に対して肯定か否定かで答えます。

Can you see it? 見えますか?見えている場合はイエス、見えていない場合はノー。

Can’t you see?  見えませんか?こう聞かれた場合、よく間違ってしまう答えがこちらです。Yes, I can’t see it. No, I can see it. 正しい答え方は No, I can’t see it. (いいえ見えません。)Yes, I can see it. (はい見えます。)英語では見えてない場合、はい見えていません、とは言いません、見えてる場合のみイエス、見えていない場合のみノーです。とっさにどちらかわからくなってしまった場合は「イエスかノーか」で答えるのでなく文章をそのまま言いましょう。日常会話の中ではイエスかノーを必ずいう必要はまったくなく、それよりも「見えるのか見えないのか」をこの場合はっきりさせることが重要です。

*仕方がない というフレーズを英語で表現すると、ほかに方法がない、避ける事ができない、という風に言い換えることになります。

There is no other option.(どうすることもできないですね。)

There is nothing we can do.(仕方がないですね。)

We can’t help the traffic in the morning.(朝の渋滞は仕方がないですね。)

*なんとかしましょう Work it out 

Please work it out.(なんとかして下さい。)

Could you work it out?(なんとかなりませんでしょうか?)

Let’s try to work it out.(なんとかしてみましょう。)

*Walk through / Talk through  

Talk(またはWalk)someone through~. で「人に~を一通り説明する」「一部始終を話す」という表現になります。

例)

The vendor talked us through the shipping process.(業者は我々に発送プロセスを一通り説明してくれた。)

Excuse me. Can you walk me through how to operate this machine?(すみません、この機器の操作方法を一通り説明してもらえますか?)このように、through の後に how to~ のような節が来ることもよくあります。ここでは the machine が目の前にあると想定して、一緒に使いながら説明するなら talk より walkのほうが適切と言えるでしょう。

Please walk us through your resume.(あなたの履歴について一通り説明して下さい)これは就職面接での定番フレーズです。talkも使われますが、あえてwalkと言うのは面接官の目の前に履歴書があるからです。単に言葉で説明というより、履歴書になぞらえてといったニュアンスがこの walk にあります。

*Talk~into / out of

Talk to~(~に話す)Talk about~(~について話す)のように Talk を使用する熟語はたくさんありますが ここで紹介するのは talk~into / out of (~を説得する)という表現です。

例)

I talked my colleague into vacation.(同僚に休暇を取るよう説得しました。)

説得する、は persuade や convince という単語を習いますが、日常会話では Talk〜into が一般的によく使われます。

We managed to talk our boss into buying the new computer system.(上司に話をして新しいコンピューターシステムを買ってもらうことに成功した。)

反対の表現として Talk someone out of~ があります。「~しないよう説得する」になります。

例)

My boss talked me out of quitting the job.(上司に説得されて仕事を辞めないことにした。)

*明確に示す、分かりやすく説明する を英語で表そうとする場合 Show clearly や Explain clearly のよう考えがちですが Clarify という動詞だけで表すことができます。会議などでもよく使われる表現です。

例)

Can you clarify your question?(質問をわかりやすく言ってもらえますか?)

Let me clarify.(分かりやすく説明させて下さい。)自分の発言を相手が誤解している時や混乱している時などにこの文章を言い、要点をハッキリさせます。

6 メールのやり取り

フォーマルにきちんとした書き方だと出だしは Dear 誰々, から始めますね。これは相手のことを知っている、または知らない、どちらの場合にも使います。集合メールだと Dear all, フォーマルな締めの挨拶は相手を知っている場合だと Best regards / All the best / Best wishes / Kind regards などですが、会ったことのない、知らない相手だと Sincerely Yours / Yours faithfully となります。何度もメールをやり取りしている、または毎日顔を合わせている間柄だと、Hi / Hello で初め最後にBest / Yours, / Reagrds, でよいでしょう。

その他メールを書く際によく使うフレーズをまとめてみました。

例)

Thank you for everything.(お世話になりました。)

Many thanks for your prompt response. Thank you for getting back to me so quickly.(お早いお返事ありがとうございます。)

Please take a look at our website.(サイトの方をご覧ください。)

I would like to arrange a meeting with you.(ミーティングの方をアレンジさせて頂きたいと思います。)

Could you let me know〜?(〜の方をお知らせ願えますか。)

Could you please send us〜?(〜の方を送っていただけますか?)

I would be grateful if you could send me〜 .(〜の方を送っていただけますとありがたいです。)

Please note that〜 .(〜をお忘れにならないようお気をつけください。)

Please confirm about〜 .(〜のご確認をお願いします。)

I would appreciate it if you could deal with this problem.(この問題を対処いただけますと誠にありがたいのですが。)

Does next monday suit you?(来週月曜はどうですか?)

I look forward to your reply.(お返事をお待ちしております。)

I look forward to seeing you next week.(来週お会いするのを楽しみにしております。)

Please give my regards to〜.(〜によろしくお伝えください。)

また何かを頼んだ相手にメールの最後の方でよろしくお願いしますと言いたい時には、Thank you in advance. / Thank you for your time. といいます。 

Stay in touch. / Keep in touch. 別れ際に使い、連絡を取り合いましょうね、という意味ですが社交辞令としてよく使われます。Sure. / Let’s stay in touch. / I will などと返事をしましょう。

I wish you every success for the future. / Best luck in the future. こちらはもう会わないであろう相手に対し「元気で頑張ってください」という意味になります。

メールを書く上でできれば冠詞は間違えたくないものです。 a/ an/ the/ または冠詞をつけない場合の違いですが、例をあげてみます。例えばビルの話だとして大まかに言うと、いくつかのビルの中の一つが a か anで、どのビルかが分かっている場合は the、そして世界中誰でも知っているビルだと冠詞はつけない、ということになります。どの冠詞を付けたらいいのかわからないので何も付けない、というのが一番無難なようでそうではありません。冠詞を付けない文章が長々とくると読みにくい事になってしまいます。勘違いされない為にも冠詞の復習をもう一度してみましょう。

I went to a building in Tokyo. (東京にあるビルへ行った。)

I went to the building in front of Tokyo station. (東京駅の前にあるビルへ行った。) 

I went to Midtown tower in Tokyo. (東京のミッドタウンタワーへ行った。)

7 Abbreviations 略語 少なくとも次のものだけは覚えましょう。

ASAP  as soon as possble できるだけ早く

Attn  for the attention of 担当者を指名するときに使う、特に誰々あて、という場合

co.  company カンパニーの略語

CV  curriculum vitae 履歴書

dept.  department 部署

e.g.  for example (exemplii gratia) 例として

ETA  estimated time of arrival 到着時間の予定

FYI   for your information ご参考までに

i.e.  that is (id est)  すなわち

N.B.  please note (nota bene) 注意してください

pcs  spieces ピース 数や量のこと 

EA  each それぞれ

ps  post script 追伸

re.  regarding  〜に関して

ref.  reference 要件

RSVP  please reply (Respondez sil vous plait) 招待状の下の方に書かれてある。来れるか来れないか返事をしてください、という意味。参加できなくても返事をする必要あり。

tbc  to be confirmed いま確認中、最終確認を行っている。

他にも略語はたくさんありますしまた国によって使い方が違ったりしますね。現地の同僚に聞く事が一番確実かと思われます。